大学生になり飲酒の機会ができ、徐々に回数が増えていった。自分の場合は、ビールとウィスキーから始まった飲酒人生。飲んでは酔って、いつの間にか寝てしまう。そして、目覚めるとたいていは気分が悪いことに気づきトイレに直行することの繰り返しだった。トイレでは涙が出て最高に悔いの念が。しかし、確実なことは自分一人で飲酒することは無かったということである。自分一人で家で飲んで何が楽しいのか?が当時の思いであった。家で自分のみで飲むようになったのは、随分、後のことである。昔の論議「煙草と酒とどちらかを選択するならどちら?」。回答の多くは煙草であった。日常的な嗜好品であるからであろう。自分の回答も同様であった。そんな自分は、煙草を吸いたいとは思わなくなった。むしろ酒の方が重要なものになっていた。
カロリーが比較的低いという理由で飲酒の対象は焼酎となった。癖の無い麦焼酎にはまった。しかし、25°の一升は一週間程度はもった。徐々に飲酒量が増えていき、単身赴任の頃には3日間もたないこともあった。焼酎はロックで飲み、睡魔直前に床に入るという生活の日々となった。そのうち、麦焼酎の淡泊さに飽きて、やや味わいのある芋焼酎に飲酒対象は変わっていった。この頃の飲酒理由は一時でも嫌なことを忘れてボーとしたいということであり、確実に暫しの現実逃避であった。しばしば、医師からγ-GTPの異常な高さについて指摘され、エコーでは脂肪肝を指摘されるようになった。
平成30年の人間ドックでついに数値は400になってしまった。他の肝機能データも当然悪い値を示していた。頭をよぎったのは、肝臓は沈黙の臓器であるということである。ネットで調べてみるとこの高いデータは入院も必要となる場合があることや、脂肪肝→肝線維症→肝炎→肝硬変→肝臓ガンへとなる場合があるということであった。さすがに恐怖心を感じた。さて、この検査日からの酒との付き合い方をどうしていこうかと思案した。このまま量を減らして飲酒生活を続ける、休肝日を設けるなどである。しかし、中途半端な酒との付き合い方は無理であろうと神の声が聞こえた。同時に日々の唯一の楽しみが無くなるという鬱感もあった。
以下はネット情報から。脂肪肝は日本酒1日5合程度1週間飲み続けると確実に起こるらしいが、2〜3週間の断酒によって脂肪肝はなくなるとのこと。アルコール性脂肪肝の人がさらに継続して大量に飲酒すると、10〜20%の人にアルコール性肝炎が発症し、この肝炎は重症になるとしばしば致命的な劇症肝炎になる。また日本酒3〜5合の飲酒を続けていると、肝細胞の壊死を伴わない肝線維化が進行し、男性なら約20年、女性なら約12年後に肝硬変に移行する。このようなアルコール性肝硬変は慢性大量飲酒者の20〜30%にみられる。
脂肪肝から慢性肝炎が起こってくると線維化(ヤケドのあとの引きつれのようなもの)が起きる。線維化は肝臓が炎症を繰り返すことにより引き起こされる現象で、炎症が起こると治まった後が硬くなる。柔らかかった肝臓が絶えず炎症を繰り返して線維化が進行すると、肝硬変になってしまう。原因が速やかに特定され修復されれば、線維化は改善することがある。しかし、数カ月から数年にわたって損傷が継続したり繰り返されたりすると、線維化した組織は永久に元に戻らない。
さて、鬱感と共に抱いた思いは果たして寝付けられるのかということであった。眠くなるのだろうか?でも昔はこの状態で毎日寝ていたのだ。大丈夫だと勝手に言い聞かせて初日を迎え、何とか寝付けられた。
実はこの断酒日から3日経過して今の文章を書いている。何とか鬱感や眠られない不安感は薄らいできた。そして、寝る直前までの行動がアクティブになった。また、胃カメラで指摘された食道の荒れもやわらいだような気がする。医者によれば、25°のストレートの焼酎は喉に相当な悪影響を及ぼすということである。いわゆる喉が焼けるという状態であると思う。起床後の感じもやや爽快感が感じられる。疲れの取れないような日々は酒のせいであったと痛感する。眠くて眠くて仕方のない起床後の状態であった。
やはり飲酒による利尿効果は大きいようである。夜中に行く回数は激減した。ほぼ、朝まで無し。寝る前に多めの茶などを飲んでも同様。アルコールの利尿作用は知識としては知っていたが、これほどとは。結果、朝の喉の渇き感も緩和された。
1週間が過ぎた。煙草のような禁断症状はないし、減量のような我慢を強いられることもない。禁酒による鬱感もほぼ感じなくなった。前述のように体調的には良いことが増えた。ただ、飲酒して酔ってみたいという思いは若干はある。それにしても、夏のビールのCMには困ったものである。実に美味そうに飲んでいるからである。食べ物も含めてCMによる悪の誘いとも思われる影響は大である。
このような日々がうまく継続できたとしても、避けられない宴会日はやってくる。飲まずに過ごすか?なかなか付き合い上難しいことである。しかも、それをきっかけにして元の木阿弥になりかねない。禁煙はうまくいったけど禁酒はうまくいくのだろうか?禁煙はずーっと継続できる状態。他方、飲酒と禁酒は同時には不可能な状態である。
本日、事後指導を受診。結果は、脂肪性肝炎で急性肝炎の状況らしい。これを解消するには、禁酒と減量の双方が必要らしい。減量も簡単ではない。しかし、やるしかない。高血糖&高脂血症&高血圧ということで死の四重奏である。取りあえず、最悪の結果である肝臓の不可逆的繊維化は避けられたようで一安心。これで安心することはできない。最後の気付きのきっかけとして感謝せねばならない。
前述の通りでもあるが
| メリット | デメリット |
| ・トイレ回数の減少 | ・楽しみが無くなるという鬱感 |
| ・喉の不快感減少 | ・寝付き悪さへの不安感 |
| ・就寝前の行動のアクティブ化 | |
| ・起床後の倦怠感の解消 | |
| ・胃の不快感の解消 | |
| ・早寝早起き化 |
などを感じている。何より、「肝硬変や慢性肝炎ではなかった!」ということが最大のメリットであると思っている。
最近になって分かってきたのは、禁酒によって体重が減ってきたということ。巷では、ビールは糖質が含まれていて太りやすいだとか、焼酎は蒸留酒でエンプティカロリーだとか、色々なことが言われているが、やはりアルコールはカロリーがある。エンプティ、というのは栄養素をほとんど含まず、それが真っ先に使われるカロリーという意味であって、使わなければ身体に蓄積する。禁酒すると単純に今まで飲んでいたカロリー摂取がなくなるので、体重が減っていくのは自然らしい。これは、思わぬ副産物であり、減量効果も大いなる励みになっている。体重が二カ所前の職場に戻れば最高である。夢にせず漠然とした目標としたい。
禁酒と禁煙でどちらが難しいのか?答えは禁煙である。理由は、喫煙が日常的習慣であること、禁煙には禁断症状が伴うこと。喫煙は何か楽しかったのだろうか。今、考えれば“百害あって一利無し”である。食後の一服が美味いっていうのも完全な習慣からのこじつけ。じゃあ飲酒は?やはり楽しいものである。皆とガヤガヤと語らうひとときは最高のものである。ボーとする瞬間も気分がよい。でも、一人酒を認めると意味のない喫煙的な習慣と一緒ではないかと思えてきている。この意識で人生を楽しみたいものである。果たして、できるか?
医者の指導によれば、3ヶ月後に再度の血液検査をうけなければならない。その時のデータはどれほど改善しているのだろうか?不安であり、期待感もある。じゃあ、その結果をみて、その後はどう過ごすのか?たった3日間しか過ぎていないのに思いは巡る。ネットの情報ではそう簡単にはデータは改善しないらしい。
今は偉そうにこんな内容を記しているが、この気持ちがいつまで続くのかが不安でもある。ダイエットと一緒で、気持ちが続かなくなってリバウンドする可能性も大である。しかし、食事制限は我慢しているという感情がずっとついて回る。しかし、タバコの場合は、ニコチンに対する要求さえなくなれば、何ら我慢しているという感情はなくなる。酒の場合は禁断症状はないと信じたい。そして、たまの酒席などを経ても、何らその後の禁酒生活に影響のない日々を送っている自分を想像したい。
やっと3ヶ月経過後の検診時期が来た。結果は、血圧が高めとコレステロール値が高めであるのを除いて、すべて正常値範囲内であった。しかも、体重は約6kg減となった。あらためて、アルコールの影響の大きさを知った。この段階で、家飲みをしたいという気持ちは全くない。しかも、翌日の酒気帯び運転の心配が全くないのが安心。もらい事故でも、酒気帯びでは完全に立場は変わるので。体重はもっと減らしていきたい。デブは万病の源である。
嬉しいことがあって、突然祝杯ムードに。迷ったあげくにビール1缶と焼酎を飲む。適度な量で睡眠につき、起床。すると後頭部に“モヤモヤ感”があり、いたって不快感を感じる。どうしたんだろう?しばらくして、不快感は収まったが嫌な気分であった。こんなことなら少なくとも家飲みは止めたほうがいいと思った。家で飲むことの価値観、ウーン難しい。やっぱ、正月も含めて止めとこう!
理由は特になく土曜日に家飲みをした。起床時の頭部不快感はあり、飲酒時の快感も感じない。何のために飲むのか?止めた方がよい!!!
嫌なことがあり、金曜日に家飲みをした。起床時の頭部不快感はあり、飲酒時の快感も感じない。何のために飲むのか?止めた方がよい!!!(繰り返し)
この酒について考えているときに、上記の本の存在を知った。同一著者の禁煙シリーズは禁煙時に読んだ経緯もあり、一定の効果はあった。煙草と酒では、その性格上やめるときに抵抗感に大きな差があると考えており、禁酒については本に頼る気はあまりなかった。ある日、中古本屋へ行ったらこの本が100円で売られているのを発見。速購入して、やっと読み終えた(2019/04/12)。その感想は、良い意味でも悪い意味でも予想通り。読後に決定的に禁酒したくなる内容ではなかった。今の自分は、週末の金曜日と土曜日には飲酒をして、他日は飲まないように(意図せずとも欲しない)1週間を送っている。今のところ、それで酒に対する欲求は十分である。退職もして、それほどに大きなストレスも感じなくなったし、夜の寝付きもすこぶる良い。飲んだ翌日の頭部不快感は、以前より大きくなった。飲むより飲まない日が増えたせいかと思っている。家飲み無しでスタートして、週末のみの飲酒生活になったわけであるが、この生活パターンを暫くは続けていきたいと思っている。昨年の8月1日の人間ドックでの悪結果がなければ、このような生活を送ることはなかったと思っている。
いつまで続くやら-“禁酒日記”-を付けてみます